同一労働同一賃金で最初に押さえる2つのポイント
皆さんこんにちは、なにわの社労士べーやんです。
今回は大企業は今年4月から、中小企業は来年4月から
始まる同一労働同一賃金について少しお話しさせて頂きます。
この同一労働同一賃金、実際に顧問先からすごくたくさんの
質問を受けます。
「アルバイトにも正社員と同じ賞与払わないといけないの?」
「正社員は月給でアルバイトは時給なんだけど、同じにしないといけないの?」
「ある現場では正社員とアルバイトと同じ仕事をしているんだけど
その場合は給与全て同じにしないといけないの?」
等々、皆さんが疑問に思うことはたくさんありますね。
たしかに、字面だけみると「同一労働」=「同一賃金」ですから
同じ仕事をしていたら同じ賃金を払うということになりますよね。
これがこの制度をややこしくしている点だと感じてます。
しかしながら、この同一労働同一賃金 最初に2つのポイントを
押さえるだけでかなりスッキリ考えれます!
※むしろ、このことを押さえておかないと、根本的な対策がとれません。
まず押さえるポイントの一つ目
①自社の「正社員」と「非正規雇用社員(契約社員、アルバイトなど)」について
入社から退職に至るまで、仕事の内容、責任度合い、人事異動の範囲(転勤や昇進)
などに何か違いがあるかどうか
これです。
これは各現場ではなく、企業全体で考えてみます。
もしこれが企業全体として全く同じであるならば
正社員と非正規雇用社員の給与や賞与、その他の待遇を全く同じにする必要が
あります。
これを「均等待遇」といいます。
※ちなみに上の質問にありました「月給」「時給」については
払い方まで一緒にする必要はありません。時間単価で同じであればいいです。
ということは、裏を返せば、正社員と非正規雇用社員との間で、仕事の内容
責任度合い、人事異動の範囲等に違いがあれば、給与などを同じにしなくていい
ということになります。
但し、ここでもう一つのポイントがあります。それは①のポイントを
クリアした場合に次に
②給与、賞与、その他の待遇それぞれについて、その待遇の性質、目的に照らし
合わせて不合理と認められる相違を設けない
これを見ていきます。
※わかりやすく表現するために、他にも検討項目がありますが今回は
大幅に短縮して表現してますのでご了承ください。
これはどういうことかといいますと、例えば給与について、それぞれの項目
(「給与」「役職手当」「通勤手当」などそれぞれの項目)が支払われる
性質や目的を洗い出し、正社員と非正規雇用社員との間に「不合理」だと
なる差をつけないということです。
これを「均衡待遇」といいます。
なので、極論、同じにする必要はありません。あくまで「不合理」だと
ならなければ、差があっても(支給あり、なしでも)もちろんいい訳です。
まとめます。
「正社員」と「非正規雇用社員」について
①入社から退職に至るまで、仕事の内容、責任度合い、人事異動の範囲
(転勤や昇進)などに何か違いがあるかどうか
ない場合⇒「均等待遇」 給与など全て同じにする必要あり
ある場合⇒「均衡待遇」 給与等それぞれの待遇の性質と目的に照らして、
それぞれについて「不合理」な差を設けない(必ず同じにする
必要はない)
同一労働同一賃金のスタートはここの検討になります。この基本を押さえて
おかないと、ついつい「賞与」とか「通勤手当」とか各項目に目がいきがち
なので、しっかり理解し、検討してくださいね。
では、「均衡待遇」の場合、給与や各手当等の「不合理」な差をつけないための
検討材料についてはまたの機会にお話しさせて頂きたいと思います。
今回は長文失礼致しました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。